【CentOS】VirtualBoxにおけるOSのディスク容量拡張【Ubuntu】

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こんにちは、なかだ(@newNakata)です。

今回は VirtualBox (以下vm)で CentOS および Ubuntu のディスク拡張について纏めたいと思います。
本稿は過去の投稿(【VirtualBox】開発環境を作る – OS編 【CentOS】)で作成した可変サイズ(vdi)型仮想マシンをもとにしています。

最初に

仮想(環境)ですが、まず vm 側で物理的に容量を増やします。
次に OS 側では vm 側で新たに追加された容量(領域)を認識していませんので、それを認識(拡張)させる作業を行います。

本稿での OS 側の作業については、コマンド(CLI)で行います。

それでは早速いってみましょう。

VM 側のストレージ容量を拡張

vm 側なので OS が何でも関係ありません。
vm を起動します。

画面上部メニューの ファイル > 仮想メディアマナージャー を押下します。

メディアマネージャーが開くので “プロパティ” を選択します。
名前欄から拡張したい vdi ファイル名を選択します。
vdi 名はメディアマネージャーを開く前の画面、各 vm のストレージを見るとわかります。
選択したら画面下の属性タブにある サイズ を変更します。
画像では 20G なので、今回は 50G に拡張します。
変更が終わったら 閉じる ボタンを押下します。

これで vm 側の拡張は完了です。
拡張した vm を起動します。

作業の前に

関連することを少しだけ纏めます。
全部触るとキリがないので少しだけ。

ディスク・パーティション

/dev 以下にある sda(b、c、~) は Linux におけるハードディスクのデバイス名です。
Linux では HDD や USB メモリなどの装置を /dev 以下にデバイスファイルとして管理しています。
本稿の環境では HDD が1つだけなので sda のみとなっていると思います。

また sda の後ろについている数字はパーティション番号になっています。
例えば sda1、sda2、sda3 がある場合、sda というディスクが3つのパーティションに分割されていることを意味しています。

LVM

※表記は CentOS ですが、Ubuntu も考え方は一緒です。

論理ボリュームマネージャ(Logical Volume Manager = LVM)は、「物理ボリューム(PV)」を提供するハードディスクなどのストレージメディア・デバイスに、直接ファイルシステムマップするのではなく、粗粒度(典型的には、メビバイト単位程度)のブロックにより一旦「論理ボリューム」と呼ばれる仮想化されたボリュームに束ねて利用するためのシステムである。

「ん?」って思いますよね。僕もです。

デバイス(物理)

物理ボリューム(PV)

ボリュームグループ(VG)

論理ボリューム(LV)

マントポイント
/dev/sda

/dev/sda1、/dev/sda2

centosなど

/dev/mapper/centos-root

/root


HDD が1つだとわかり辛いですが、簡単には上記通りです。
また各項目はレイヤーの話なので正確には ↓ ではないのですが、わかりやすく ↓ としました。

例えば既存デバイス(/dev/sda)が 20G として、新しく 50G のデバイス(/dev/sdb)を追加。
そのデバイスを sda と同じボリュームグループに加え、70G のボリュームとして論理ボリュームを割り振る、ということも可能です。
このような便利なボリューム管理システムが LVM です。

また自動パーティションで作成された boot 領域以外は物理パーティションではなく LVM が使用されます。
上記でいうと、/dev/sda2 は論理ボリュームとして /dev/mapper/centos-root が作成されています。

本稿の環境では vm 側で拡張した領域を OS 側の /dev/mapper/centos-root(sda2)に認識(拡張)することで反映します。

OS 側のストレージ容量を拡張

起動した vm に SSH ログインを行います。
VSCode でも構いませんがこの度は CLI のみでの作業のため teraterm で行います。

Linux コマンドは各 OS で同じですが、どちらも都度同じ説明を記載します。
不要なところは読み飛ばしてください。

CentOS 7

まず最初に df コマンドで現在のディスクの使用状況を確認します。
( -h で人が読みやすい形式(KB、MB、GBなど)で出力)

[root@localhost ~]# df -h
ファイルシス            サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
devtmpfs                  988M     0  988M    0% /dev
tmpfs                    1000M   16K 1000M    1% /dev/shm
tmpfs                    1000M  8.6M  991M    1% /run
tmpfs                    1000M     0 1000M    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/centos-root    17G  4.0G   14G   24% /
/dev/sda1                1014M  168M  847M   17% /boot
tmpfs                     200M     0  200M    0% /run/user/0

boot に割り当てられた /dev/sda1 パーティションとそれ以外に割り当てられて LVM として管理された /dev/mapper/centos-root パーティションが確認できます。
vm 側を拡張しても、OS が認識している領域は前と同じ 20G (全体)のままです。

次に fdisk コマンドでディスクのパーティションの状態を確認します。
fdisk コマンドはディスクのパーティションを作成、管理、表示するためのコマンドです。
まず -l オプションでディスクとパーティション一覧を表示します。

[root@localhost ~]# fdisk -l

Disk /dev/sda: 53.7 GB, 53687091200 bytes, 104857600 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
Disk label type: dos
ディスク識別子: 0x0000be42

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *        2048     2099199     1048576   83  Linux
/dev/sda2         2099200    41943039    19921920   8e  Linux LVM

Disk /dev/mapper/centos-root: 18.2 GB, 18249416704 bytes, 35643392 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

~~~~~ 略 ~~~~~


ディスク自体( /dev/sda )は 50G に拡張されていますが、/dev/mapper/centos-root は 20G のままです。

引き続き fdisk コマンドでパーティション拡張します。
fdisk [ディスクpath] を入力すると入力待ち状態になります。

[root@localhost ~]# fdisk /dev/sda
Welcome to fdisk (util-linux 2.23.2).

Changes will remain in memory only, until you decide to write them.
Be careful before using the write command.


コマンド (m でヘルプ):

m でヘルプを表示すると一覧が表示されますが、ここでは必要そうなものを抜粋します。

 d  パーティションを削除
 n  新しいパーティションを作成
 p  パーティションテーブルを表示
 q  変更を保存せず終了
 w  変更保存して終了

p を入力すると先ほどの -l と似た内容が表示されます。

コマンド (m でヘルプ): p

isk /dev/sda: 53.7 GB, 53687091200 bytes, 104857600 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
Disk label type: dos
ディスク識別子: 0x0000be42

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *        2048     2099199     1048576   83  Linux
/dev/sda2         2099200    41943039    19921920   8e  Linux LVM

コマンド (m でヘルプ): 

d コマンドで /sda/dev2 パーティションを削除します。
初期値(何も入力しなくても)として2が選択されるようになっていますので、そのまま [Enter] キーを押下、もしくは2と入力して[Enter] キーを押下します。

コマンド (m でヘルプ): d
パーティション番号 (1,2, default 2): 2
Partition 2 is deleted

コマンド (m でヘルプ): p

Disk /dev/sda: 53.7 GB, 53687091200 bytes, 104857600 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
Disk label type: dos
ディスク識別子: 0x0000be42

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *        2048     2099199     1048576   83  Linux

コマンド (m でヘルプ): 

再度 p コマンドで状態を表示すると /dev/sda2 が表示されず、削除されたことが確認できます。

次に n コマンドで新しくパーティションを追加します。
この追加するパーティションを最終ブロックまで広げることで拡張します。

コマンド (m でヘルプ): n
Partition type:
   p   primary (1 primary, 0 extended, 3 free)
   e   extended
Select (default p):
Using default response p
パーティション番号 (2-4, default 2):
最初 sector (2099200-104857599, 初期値 2099200):
初期値 2099200 を使います
Last sector, +sectors or +size{K,M,G} (2099200-104857599, 初期値 104857599):
初期値 104857599 を使います
Partition 2 of type Linux and of size 49 GiB is set

コマンド (m でヘルプ): 

全て初期値で構わないのでそのまま [Enter] キーを押下します。
最後に size 49 GiB と表示されている通り、パーティションが拡張できました。

w コマンドで変更を保存すると fdisk が終了し入力状態に戻ります。

コマンド (m でヘルプ): w
パーティションテーブルは変更されました!

ioctl() を呼び出してパーティションテーブルを再読込みします。

WARNING: Re-reading the partition table failed with error 16: デバイスもしくはリソースがビジー状態です.
The kernel still uses the old table. The new table will be used at
the next reboot or after you run partprobe(8) or kpartx(8)
ディスクを同期しています。

[root@localhost ~]#

ここで1度再起動します。

[root@localhost ~]# reboot

再起動後、どのような状態か確認してみます。

[root@localhost ~]# df -h
ファイルシス            サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
devtmpfs                  988M     0  988M    0% /dev
tmpfs                    1000M   16K 1000M    1% /dev/shm
tmpfs                    1000M  8.6M  991M    1% /run
tmpfs                    1000M     0 1000M    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/centos-root    17G  4.0G   14G   24% /
/dev/sda1                1014M  168M  847M   17% /boot
tmpfs                     200M     0  200M    0% /run/user/0
[root@localhost ~]# fdisk -l

Disk /dev/sda: 53.7 GB, 53687091200 bytes, 104857600 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
Disk label type: dos
ディスク識別子: 0x0000be42

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *        2048     2099199     1048576   83  Linux
/dev/sda2         2099200   104857599    51379200   83  Linux

Disk /dev/mapper/centos-root: 18.2 GB, 18249416704 bytes, 35643392 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

~~~~~ 略 ~~~~~

この時点ではパーティションのブロックサイズが拡張されただけで、実際に使用(認識)している領域は拡張前と変わりありません。

pvresize コマンドで /dev/sda2 パーティションの物理ボリュームサイズを変更します。
pvresize は LVM で使用されるコマンドの1つです。

[root@localhost ~]# pvresize /dev/sda2
  Physical volume "/dev/sda2" changed
  1 physical volume(s) resized or updated / 0 physical volume(s) not resized

物理ボリュームがスキャンされ新しいサイズに変更されました。

次に lvextend コマンドで /dev/sda2 パーティションの論理ボリュームサイズを変更します。
こちらも LVM で使用されるコマンドの1つです。

-l オプションを付け最大まで拡張します。

[root@localhost ~]# lvextend -l +100%FREE /dev/mapper/centos-root
  Size of logical volume centos/root changed from <17.00 GiB (4351 extents) to <47.00 GiB (12031 extents).
  Logical volume centos/root successfully resized.

論理ボリュームが拡張されました。

最後に xfs_growfs コマンドでファイルシステムを拡張します。
このコマンドは指定されたマウントポイントに関する XFS ファイルシステムのサイズを拡張するのに使用されます。

[root@localhost ~]# xfs_growfs /dev/mapper/centos-root
meta-data=/dev/mapper/centos-root isize=512    agcount=4, agsize=1113856 blks
         =                       sectsz=512   attr=2, projid32bit=1
         =                       crc=1        finobt=0 spinodes=0
data     =                       bsize=4096   blocks=4455424, imaxpct=25
         =                       sunit=0      swidth=0 blks
naming   =version 2              bsize=4096   ascii-ci=0 ftype=1
log      =internal               bsize=4096   blocks=2560, version=2
         =                       sectsz=512   sunit=0 blks, lazy-count=1
realtime =none                   extsz=4096   blocks=0, rtextents=0
data blocks changed from 4455424 to 12319744

ファイルシステムのファイルサイズも変更されました。

これで完了です。
最後にディスクの状態を確認します。

[root@localhost ~]# df -h
ファイルシス            サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
devtmpfs                  988M     0  988M    0% /dev
tmpfs                    1000M   16K 1000M    1% /dev/shm
tmpfs                    1000M  8.6M  991M    1% /run
tmpfs                    1000M     0 1000M    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/centos-root    47G  4.0G   44G    9% /
/dev/sda1                1014M  168M  847M   17% /boot
tmpfs                     200M     0  200M    0% /run/user/0

無事、50G に拡張されていることが確認できました。

これで拡張作業は完了です。

Ubuntu 22.04.3

ここでは過去の投稿(【VirtualBox】Ubuntuインストール【Linux】)で使用した Ubuntu 22.04.3 をもとに解説します。
色々見ていると、Ubuntu 22 からデフォルトで LVM が使われているようです。
また、下記で解説する以外に拡張アプリケーションをインストールしてやってみましたが上手くいきませんでした。

それでは早速 df コマンドで現在のディスクの使用状況を確認します。
( -h で人が読みやすい形式(KB、MB、GBなど)で出力)

root@nakadalog:~# df -h
Filesystem                         Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs                              197M  1.1M  196M   1% /run
/dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv   18G  7.1G  9.8G  42% /
tmpfs                              983M   28K  983M   1% /dev/shm
tmpfs                              5.0M     0  5.0M   0% /run/lock
/dev/sda2                          1.8G  251M  1.4G  16% /boot
tmpfs                              197M  4.0K  197M   1% /run/user/0

/dev/sda1 が表示されていませんが、boot に割り当てられた /dev/sda2 パーティションとそれ以外に割り当てられて LVM として管理された /dev/mapper/ubuntu–vg-ubuntu–lv パーティションが確認できます。
vm 側を拡張しても、OS が認識している領域は前と同じ 20G (全体)のままです。

次に fdisk コマンドでディスクのパーティションの状態を確認します。
fdisk コマンドはディスクのパーティションを作成、管理、表示するためのコマンドです。
まず -l オプションでディスクとパーティション一覧を表示します。

root@nakadalog:~# fdisk -l

~~~~~ 中略 ~~~~~

ディスク /dev/loop4: 111.95 MiB, 117387264 バイト, 229272 セクタ
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
GPT PMBR size mismatch (41943039 != 104857599) will be corrected by write.
The backup GPT table is not on the end of the device.

ディスク /dev/sda: 50 GiB, 53687091200 バイト, 104857600 セクタ
Disk model: VBOX HARDDISK
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: 8743682F-259F-4BE1-9CAF-3034825EC5BD

デバイス   開始位置 最後から   セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1      2048     4095     2048     1M BIOS 起動
/dev/sda2      4096  3719167  3715072   1.8G Linux ファイルシステム
/dev/sda3   3719168 41940991 38221824  18.2G Linux ファイルシステム

ディスク /dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv: 18.22 GiB, 19566428160 バイト, 38215680 セクタ
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

/dev/sda1 は BIOS 起動に割り当てられていました。
/dev/sda2 は Boot なので /dev/sda3 が /dev/mapper/ubuntu–vg-ubuntu–lv になっています。
ディスク自体( /dev/sda )は 50G に拡張されていますが、/dev/mapper/ubuntu–vg-ubuntu–lv は 20G のままです。
途中、赤メッセージで size mismatch が出てますね。

引き続き fdisk コマンドでパーティション拡張します。
fdisk [ディスクpath] を入力すると入力待ち状態になります。

root@nakadalog:~# fdisk /dev/sda

fdisk (util-linux 2.37.2) へようこそ。
ここで設定した内容は、書き込みコマンドを実行するまでメモリのみに保持されます。
書き込みコマンドを使用する際は、注意して実行してください。

GPT PMBR size mismatch (41943039 != 104857599) will be corrected by write.
The backup GPT table is not on the end of the device. This problem will be corrected by write.
This disk is currently in use - repartitioning is probably a bad idea.
It's recommended to umount all file systems, and swapoff all swap
partitions on this disk.

コマンド (m でヘルプ): 

m でヘルプを表示すると一覧が表示されますが、ここでは必要そうなものを抜粋します。

 d  パーティションを削除
 n  新しいパーティションを作成
 p  パーティションテーブルを表示
 q  変更を保存せず終了
 w  変更保存して終了

p を入力すると先ほどの -l と似た内容が表示されます。

コマンド (m でヘルプ): p

ディスク /dev/sda: 50 GiB, 53687091200 バイト, 104857600 セクタ
Disk model: VBOX HARDDISK
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: 8743682F-259F-4BE1-9CAF-3034825EC5BD

デバイス   開始位置 最後から   セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1      2048     4095     2048     1M BIOS 起動
/dev/sda2      4096  3719167  3715072   1.8G Linux ファイルシステム
/dev/sda3   3719168 41940991 38221824  18.2G Linux ファイルシステム

コマンド (m でヘルプ):

d コマンドで /sda/dev3 パーティションを削除します。
初期値(何も入力しなくても)として3が選択されるようになっていますので、そのまま [Enter] キーを押下、もしくは3と入力して[Enter] キーを押下します。

コマンド (m でヘルプ): d
パーティション番号 (1-3, 既定値 3):

パーティション 3 を削除しました。

コマンド (m でヘルプ): p
ディスク /dev/sda: 50 GiB, 53687091200 バイト, 104857600 セクタ
Disk model: VBOX HARDDISK
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: 8743682F-259F-4BE1-9CAF-3034825EC5BD

デバイス   開始位置 最後から  セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1      2048     4095    2048     1M BIOS 起動
/dev/sda2      4096  3719167 3715072   1.8G Linux ファイルシステム

コマンド (m でヘルプ):

再度 p コマンドで状態を表示すると /dev/sda3 が表示されず、削除されたことが確認できます。

次に n コマンドで新しくパーティションを追加します。
この追加するパーティションを最終ブロックまで広げることで拡張します。

コマンド (m でヘルプ): n
パーティション番号 (3-128, 既定値 3):
最初のセクタ (3719168-104857566, 既定値 3719168):
Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P} (3719168-104857566, 既定値 104857566):

新しいパーティション 3 をタイプ Linux filesystem、サイズ 48.2 GiB で作成しました。
パーティション #3 には LVM2_member 署名が書き込まれています。

署名を削除しますか? [Y]es/[N]o: n

コマンド (m でヘルプ): 

パーティション作成までは全て初期値で構わないのでそのまま [Enter] キーを押下します。
次に”署名を削除しますか?”ですが、n(削除しない) を入力して [Enter] キーを押下してください。
署名を削除すると再起動(次回からの起動)できなくなります。

w コマンドで変更を保存すると fdisk が終了し入力状態に戻ります。

コマンド (m でヘルプ): w
パーティション情報が変更されました。
ディスクを同期しています。

ここで1度再起動します。

root@nakadalog:~# reboot

再起動後、どのような状態か確認してみます。

root@nakadalog:~# fdisk -l

~~~~~ 中略 ~~~~~

ディスク /dev/loop4: 63.45 MiB, 66531328 バイト, 129944 セクタ
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

ディスク /dev/sda: 50 GiB, 53687091200 バイト, 104857600 セクタ
Disk model: VBOX HARDDISK
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: 8743682F-259F-4BE1-9CAF-3034825EC5BD

デバイス   開始位置  最後から    セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1      2048      4095      2048     1M BIOS 起動
/dev/sda2      4096   3719167   3715072   1.8G Linux ファイルシステム
/dev/sda3   3719168 104857566 101138399  48.2G Linux ファイルシステム

ディスク /dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv: 18.22 GiB, 19566428160 バイト, 38215680 セクタ
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

この時点ではパーティションサイズが拡張されただけで、実際に使用(認識)している領域は拡張前と変わりありません。
また、サイズが変更されたため赤メッセージは表示されていません。

pvresize コマンドで /dev/sda2 パーティションの物理ボリュームサイズを変更します。
pvresize は LVM で使用されるコマンドの1つです。

root@nakadalog:~# pvresize /dev/sda3
  Physical volume "/dev/sda3" changed
  1 physical volume(s) resized or updated / 0 physical volume(s) not resized

物理ボリュームがスキャンされ新しいサイズに変更されました。

次に lvextend コマンドで /dev/sda2 パーティションの論理ボリュームサイズを変更します。
こちらも LVM で使用されるコマンドの1つです。

-l オプションを付け最大まで拡張します。

root@nakadalog:~# lvextend -l +100%FREE /dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv
  Size of logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv changed from 18.22 GiB (4665 extents) to 48.22 GiB (12345 extents).
  Logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv successfully resized.

論理ボリュームが拡張されました。

最後に resize2fs コマンドでファイルシステムを拡張します。
このコマンドは指定されたパーティション上の ext4 ファイルシステムをパーティションの新しいサイズに合わせて拡張するのに使用されます。

root@nakadalog:~# resize2fs /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
resize2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Filesystem at /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is mounted on /; on-line resizing required
old_desc_blocks = 3, new_desc_blocks = 7
The filesystem on /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is now 12641280 (4k) blocks long.

ファイルシステムのファイルサイズも変更されました。

これで完了です。
最後にディスクの状態を確認します。

root@nakadalog:~# df -h
Filesystem                         Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs                              197M  1.2M  196M   1% /run
/dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv   48G  7.1G   39G  16% /
tmpfs                              983M   28K  983M   1% /dev/shm
tmpfs                              5.0M     0  5.0M   0% /run/lock
/dev/sda2                          1.8G  251M  1.4G  16% /boot
tmpfs                              197M  4.0K  197M   1% /run/user/0
root@nakadalog:~#

無事、50G に拡張されていることが確認できました。

これで拡張作業は完了です。

まとめ

今はどうかわかりませんが、昔は vm 環境をチームなどで共有するのに渡しやすいよう少ない容量で構築していました。
また業務毎に微妙に環境が違うと、仮想環境をいくつも PC に持たなければならず容量も必要最低限にしていました。
頻繁ではないけど忘れた頃にやってくる、のがディスク拡張です。

さて、本稿はここまでになります。
vm 関連については本ブログでこれまで紹介してきた内容で一通り困ることはなくなったのかなぁと思います。
以後は vm 関連で何か気づきがあれば都度記事にしていきたいと思います。